山形方人 Masahito Yamagata, PhD

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Tabula Gallus:ブログのように総説を書く

私の2022年の目標は、科学者業界の常識への挑戦。総説をブログのように発表する。

 

MDPI出版のオープンアクセス雑誌International Journal of Molecular Sciences(インパクトファクター 5.924)は、オープンアクセス雑誌なので、掲載者が掲載料を負担するのですが、この雑誌の場合、1論文あたり2000スイスフラン(日本円で約25万円)が必要です。一部のオープンアクセス雑誌では、1報50万円を要するものもあるので、金額的には標準的だと思います。

 

ところが、私のようにEditorial Boardになっていると、1年に1報、無料で論文が掲載できるという特典があります。また、Special Issueという特集を開始すると、それとは別に無料で論文を掲載できます。私の場合、去年はこの特典を使わなかったので、今年は3報分を無料で論文発表できるらしいです。この雑誌の場合、雑誌のインパクトファクターが5.924と、例えばプロスワン(3.24)やSci Rep(4.379)といったメガジャーナルやJ. Biol. Chem.(5.157)より高い。

 

ただ、私の場合、この雑誌上で、オリジナルな実験データを伴う研究論文を出版するのは非常に躊躇する気持ちが強いです。でも、総説ならば許容できるという感覚があります。実際にこの雑誌で発表された総説を読んだりすることもあります。でも、時間をかけて丁寧に総説を書いてもあまり読まれそうもない。というわけで、無料ならば、ブログを書くようなつもりで、気楽に書いてみよう、と思いました。そして書きました。

 

原文 https://www.mdpi.com/1422-0067/23/2/613

 

🇯🇵日本語翻訳版はこちら👉 Tabula Gallusに向かって|山形方人|note

 

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意図的に、どんな査読をしているのか、試してみたのですが、この雑誌の場合、やはりやばさを感じました。このような点については後日まとめてみたいと思います。クセのあるブログみたいなエッセイ的総説でも受理される。。でもブログのように刹那的に消えていくこともなく、科学的なアーカイブにもなります。

 

それはともかく、以下がサマリーのDeepLによる翻訳です。

Tabula Gallusは、ニワトリの体やニワトリ胚のあらゆる細胞タイプのマップを作成することを目的とした提案プロジェクトである。ニワトリは、哺乳類の発生と生理を再現するモデル動物として最もよく知られています。Tabula Gallusは、現在進行中の他の細胞アトラスプロジェクト(マウスはTabula Muris、ヒトはTabula Sapiens/Human Cell Atlas)と同様に、Gallus gallusの単一細胞のトランスクリプトームデータを作成し、各細胞タイプの特徴を明らかにし、この種の生物学研究のためのツールを提供します。Tabula Gallusは、多くの研究者による国際的な共同研究となる可能性がある。このプロジェクトは、Gallus gallusや他の鳥類の基礎科学的研究(細胞生物学、分子生物学、発生生物学、神経科学、生理学、腫瘍学、ウイルス学、行動学、生態学、進化学など)に役立つと思われる。いずれは人間の健康や病気の理解にも有益である。

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