山形方人 Masahito Yamagata, PhD

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日本版AAASの設立戦略チームに参加

2021年2月1日にオープンとなった「日本の科学をもっと元気に!」とする日本版AAAS設立準備委員会の設立戦略チームに2021年1月から加わっています。

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文部科学大臣の見解です

記者)今月の1日にですね、国内の若手研究者、民間の有志が、米国の科学普及団体であるAAASを真似た、模倣したような、日本版のAAASというのを作るための準備委員会を立ち上げました。で、その団体、6月にもNPO法人として立ち上げようとしています。で、一般の方と若手とを、対話して、科学に関する関心を醸成しようという団体だというふうに聞いています。このような団体に対して、大臣の受止めをお願いします。

大臣)いいことじゃないかなと思います。アメリカの科学振興協会を参考とした日本版AAASを設立する準備委員会が設置されたことは承知をしております。若手研究者を中心として、我が国の科学技術の将来について、誰もが議論に参加できるボトムアップ型の組織が設置されることは喜ばしいことと考えております。今後、様々な立場の方が参加して活発な議論がなされ、科学技術の振興に貢献していただけることを期待をしております。

萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和3年2月12日):文部科学省

 

いろいろなことに関心がありますが、私自身が日本版AAASで実現したいことは以下の2つに選択と集中したいです。
 
1)超高齢化社会に対応した研究者の問題と活用(リタイヤ研究者の科学コミュニケーションなどへの関与など)
超高齢化社会のなかでシニア研究者の生き方、そしてその経験を活かした科学コミュニケーションなどへの関与などが重要になっていると思います。例えば、研究引退後のキャリア、生きがいなどの問題があるでしょう。また、経験を活かして、科学の発展のために活躍できるはずですが、リタイヤすると連絡が取れなくなったりしてしまいます。まず、このような問題を把握したいと思います。そして、何かを始めたいと思います。シニア研究者は癖の強い人が多くて苦手、じゃまなので出てこないで、という若手もいるでしょう。しかし、今、若い人たちもやがて、シニア研究者、リタイヤすることになるのです。実は、これは若手研究者のためでもあると思います。
 
2)歴史、文化、社会なども考慮した科学研究環境改善の深い議論(欧米の模倣施策についての警鐘など)
日本の科学研究の施策の問題は、その歴史、文化、社会などを十分議論することなく、欧米を表面的に刹那的に模倣するために、多くの問題を引き起こしてしまっていることだと、私は思っています。その典型がポスドク1万人計画、その失敗から来たポストポスドク問題、そしてその問題が引き起こした大学院進学者の減少です。欧米と日本の歴史、文化、社会の比較などから、日本に最適な科学研究政策とは何なのか、このような深い議論を始めたいと思います。